特別支援教育と特別支援学級
1.特別支援教育
(1)本校の特別支援教育推進の基本的な考え方
①発達上における困り感により、本校の教育課程に基づく学習や活動に困り感を抱く児童に対し、個々の支援計画に基づく指導・支援を行う。
②保護者の理解・同意・協力の下に行う。
③全校の共通理解と協力の下に行う。
④おおぞら学級や江別市学校教育支援室、市発達支援センターなど外部の専門機関と連携し行う。
(2)特別支援教育の対象となる児童
①学校での学習や生活に困り感を抱えている児童。②担任も、一般的な一斉教育では困り感を与えてしまうと感じている児童。
③保護者も特別な支援と協力を望んでいる児童。
④困り感、あるいはその心配や傾向が客観的に認められる児童。
※「保護者が望まない」「専門機関の診断を受けない」など、上の条件を満たさなくとも、実際には「困り感」を抱えている児童は多い。そうした『特別な支援を要する児童』への個々の指導・支援を今後も保護者と連携して行っていくのは当然である。
2.特別支援学級(おおぞらの教育)
(1)学級の名称
江別市立江別太小学校「おおぞら学級」(知的・情緒・肢体・弱視・病弱)
(2)学級目標
○ 話を聞いて学習する子 (すじ道をたてて考える子ども) 〈知〉
○ 笑顔で楽しく活動する子 (やさしくて思いやりのある子ども)〈情〉
○ 元気に遊びや運動に励む子 (健康で明るい子ども) 〈体〉
○ 最後までがんばる子 (ねばり強くやりぬく子ども) 〈意〉
(3)基本方針
・個別の指導計画を作成し、個々の興味関心や発達課題をおさえ「自立」に向けた支援を教育活動全般において行う。
・自分のことが自分でできるように、基本的生活習慣の確立を図る。
・個々の実態に応じたコミュニケーション手段を育て、自己表現・自己決定する力を身につけさせる。
・体を動かす喜びを知ると共に心身ともに明るく健康な生活が送れるように、一人一人の発達に即した体づくりを行う。
・交流教育の取り組みを充実させ、生活経験や人間関係の広がりを目指す。
・一人一人が楽しく心地よい集団生活が送れるような環境作り、また、お互いが意識し合い関わり合える集団作りに努める。
・一人一人の課題に沿った教材や指導法を工夫し、個々の実態に応じた生活に必要な概念や学力の定着に努める。
・保護者との連携を密にし、共通理解を図って指導に努める。
・障がいの軽減・克服を目指しつつ、豊かな発達を追及するための教育課程を創意工夫して編成する。
(4)教育課程
・各教科、道徳、特別活動、自立活動、日常生活、生活単元、総合的な学習で編成する。編成にあたっては、学習指導要領、児童個々の実態、保護者の願い等を踏まえ、内容と時数を設定する。
(5)「個別の教育支援計画」と「個別の指導計画」
① はじめに
「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」は、一人一人の児童に応じたきめ細やかな支援・指導を行うために、個々の実態を把握し、具体的な指導目標、指導内容・方法を明確にした支援計画、指導計画である。一人一人の「生きる力」を育成するという視点からこれらを作成し、支援・指導の充実に努めていく。
② 「個別の教育支援計画」と「個別の指導計画」の作成と留意点
1)的確な実態把握を行う。
「当面の課題」や子どものよさを明らかにし、実態を把握する。
知能検査・発達検査等を実施し、客観的に子どもをとらえる。
2)具体的な指導目標、指導内容・方法を設定する。
子どものよさ、保護者のニーズ、生活条件を基に長期目標・短期目標を設定する。
一人一人の子どもが意欲的、主体的に活動できるものとする。
3)子ども、保護者、関係者のニーズを十分把握し、連携の視点を明確にする。
保護者の願いを聞き取り、保護者との共育を大切にした教育活動をすすめる。
4)計画→実践→評価→改善のサイクルを大切にする。
指導の区切りで子どもの変容・手立ての適切さ等の観点から評価を行い次の指導へつなげる。
※「個別の教育支援計画」は、道教委の様式に沿い必要に応じて作成する。
「個別の指導計画」は、教育支援計画の目標の具現化に向けての指導記録とする。
(6)交流教育について
① ねらい
困り感のある児童にとっては集団の中でたくさんの友だちとふれあうこと により、ことばやコミュニケーション能力を育むことができる。また、こと ばを発することの少ない子どもにとっても、相手と手をつないだり、声をか けられたり、微笑みかけられたりする中で形成される知的・感覚的・情緒的 刺激は大きいものがある。さらに、きまりある集団行動を経験していくこと により、社会性を形成し社会適応能力を伸長させることができる。交流は、 集団参加の能力を高め社会性を養う場、好ましい人間関係を育て生活や学習 経験を広げていく場、その上で日常生活の意欲向上を図っていくという、生 きていく基本的な事柄を育てるためには必要な場と考える。
通常学級の子どもにとっては、おおぞらの子どもたち自身が可能性をもっ たかけがえのない存在であることを知り、障がいがある、ないという枠を越 えて、人としての正しい理解や認識を深める契機になり、気負わずに自然に 付き合える関係を結べるようになってくれることを願っている。
すべての子どもが、自分を大切にすると同様に、他人や支援を必要な人を 含め受け入れ、社会の一員として共に生活していくこと、社会とはいろいろ な人々で構成されているということを自然と認識できるような交流教育につ なげていきたい。
校内において、通常学級児童とおおぞら学級児童が一緒に学習・生活する 場を設定し交流教育を進めていくと同時に、校外においても、他の特別支援学級と交流する場を設け、社会的自立につながる交流教育を推進していく。
② 交流教育の実際
1)校内での交流
(ア)交流学級(学年)での交流学習
教科学習への参加(授業、児童の実態に応じて)
給食への参加(児童の実態に応じて)
学年行事(社会見学、遠足等)への参加
(イ)全校児童との交流学習
休み時間の交流
入学式、卒業式、始(終)業式、運動会、学習発表会、ふれあい活動、
児童会行事等への参加
2)他校との交流
市内特別支援学級ふれあい合同学習(市内の特別支援学級に在籍する児童・生徒との交流)8月頃
(7)学級行事
生活単元学習または総合的な学習の中で、校外学習、買い物学習、年中行事
(誕生会、クリスマス会、節分等)集会等の学級行事を行う。